雨上がりの景色を夢見て
扉が開いて、音楽が流れる。祝福の眼差しが向けられる中、仁さんと一緒にゆっくりと前へと進む。

正面では、高梨先生が、少し緊張した微笑みで待っている。

ふと、正面のガラス張りから見える景色が明るいことに気がついた。

あんなに降っていた雨が…やんでる。

雨雲から差し込む光が、私達の歩く道を照らしていて、空から祝福されているような気がした。












無事に挙式が終わり、披露宴までの間、私と高梨先生はチャペルで冊子の表紙の撮影をしている。

「晴れたから、逆光バッチリです」

カメラマンの指示の元、チャペルの中央で、青空を背景にさまざまなポーズで写真を撮る。

「雛、俺、この天気見て思った事あるんだ」

「実は、私も…」

きっと、先生と私は同じことを思っていたんだと思う。

お互いの目があって、ふっと笑う。

「…貴史くんの祝福かなって」

「…はい。そう思います」

手を繋いで、ガラス張りの壁から、外を眺める。

カシャッというシャッター音が聞こえて、後ろを見る。

「あっ、思わず押してました」

カメラマンが、照れ臭そうにそう笑った。

私と先生は、もう一度目を合わせて、今度は声を出して笑った。




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