雨上がりの景色を夢見て
第3章 予感との葛藤
「あーあ、球技大会の実行委員になっちゃった」

いつものように、放課後、保健室にやってきた近藤さんは、ソファーにもたれかかるなり、ぐったりとした様子で天井を見上げた。

「亜紀、くじ運なさすぎ」

苦笑いで、近藤さんと向かい合わせに座っていた清水さんが励ました。

「本当に、もうやだ。私まとめ役なんて向いてない…」

「…あっ、でもさ、男子からは立候補で出たでしょ?水泳部の佐々木くん。やる気に満ち溢れてたから、中心になってやってくれるんじゃない?」

「あー…うん」

清水さんの言葉に歯切れの悪い返事をする近藤さん。私が違和感を覚えたなら、なおさら、清水さんは変だと思ったに違いない。

案の定、清水さんはしばらく不思議な様子で近藤さんの表情を伺った。

「…あはは」

清水さんの視線に耐えられず、笑って誤魔化した近藤さん。

「…あははじゃなくて…」

呆れてそう言うと、清水さんは近藤さんの隣に座り直して、

「…佐々木くんと何かあった?」

単刀直入に尋ねた。






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