見合いで契約婚した幼馴染が、何故か激しい執着愛を向けてくるのですが!
そんなこんなで、挙式と披露宴の準備、招待状の発送、新居の手配がびっくりするほど急速に進んでいく。当然ながら当事者の私たち二人は、休日をすべて潰さざるを得ないほどに、それらの手続きに忙殺された。
結婚がこんなに、煩雑な準備を必要とするなんて……想像はしていたけど想像以上だ……と、途中何度もぐったりしたが、そのたび同行した稔くんや実母に気合いを入れられ、なんとかやる気を取り戻す日々。
そうして私たちは、5月終わりの日曜日に、晴れの日を迎えた。
「本日はありがとうございました」
「ありがとうございました」
披露宴が終わって、入口で稔くんと二人並んでお客様をお送りする。
フェアルート商事社長の息子の結婚ともなれば招待客の顔ぶれも数もなかなかで、それに合わせて我が家も会社の幹部などを呼んだから、私からすれば予想以上の規模の祝宴となった。
二百人近くの参加者の中には、学生時代の友達もそれなりにいる。
中には小学校の頃からの付き合いの子もいて、彼女ら彼らは一様に、私たちの結婚を大袈裟なほどに喜んでいた。
「おめでとう! まさかあんたらが結婚するなんてなあ」
「あら、うちはひょっとしたらって昔っから思ってたよ」
「昔からは言い過ぎとちゃう?」
「いやいや、小6の時点でも仲良かったもんなあ。ラブラブやん、とか言うと相崎が怒りそうやから言わんかったけど」
「もう相崎ちゃうやろ、宮本、やなくて坂根さんの奥さん」