見合いで契約婚した幼馴染が、何故か激しい執着愛を向けてくるのですが!

「ん、っ……」

 あまりに深く舌が差し込まれるものだから、息苦しくなって、思わず声が漏れる。
 唇がやっと離れ、はぁ、と息をついた。

 大きな手に、むき出しの鎖骨を撫でられる。

「いい?」

 初めて聞く、彼の熱を帯びた声音。
 一瞬の躊躇の後、こくりとうなずく。
 それを合図にしたかのように、稔くんが私の首もとに吸い付いてきた。
 熱い唇が肌に触れ、ちゅっと音を立てて吸い上げる。ちくりとした弱い痛みとともに、背筋が勝手に震える感覚を覚えた。

「いい匂いする。何か塗った?」
「え、と、匂い付きのクリーム……」

 繰り返し、同じように肌が吸われるたび、その震えは背筋だけでなく背中全体に、そして上半身に広がっていく。

 キスだけでこんなふうに、感じたりするなんて知らなかった。
 いつしか目を閉じてその感覚に浸っていると、ふたたび唇が重ねられる。

「腕、両方上げて」

 言われた通りにバンザイの姿勢を取ると、ネグリジェをまくり上げられ脱がされた。普段は夜用のブラジャーを使っているけど、今日は着けていない。
 一気にショーツ1枚だけの姿にさせられて羞恥心がのぼってくる。反射的に胸を隠した腕を、稔くんの手がそっと外した。

 見上げた彼の顔に浮かぶ微笑みには、甘さが溢れている。大人の男性としての表情に目を見張っているうちに、彼の手が私の両胸を包み込んだ。
 優しい手つきが、ふにふにと乳房の形を変えていく。くすぐったいような感覚に身を委ねていると、稔くんの口がぱくりと、左の乳首を咥えた。
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