見合いで契約婚した幼馴染が、何故か激しい執着愛を向けてくるのですが!

 ついにたどり着いた時、全身が爆発するような、強烈な感覚が襲ってきた。

「あ、あぁぁ……ああぁっ!!」

 私が叫ぶとほぼ同時に、稔くんが「ふ……っ」と呻いた。
 直後、私の中で、膜越しに彼の欲望が熱いものを放つ。

 震える手足をベッドの上に、ゆっくりと投げ出した。
 ……ひどくだるくて、とても眠い。
 けれど同時に、大きな充足感に満たされてもいた。

 彼に抱かれて、嬉しかった。
 お互いの利害の一致で結婚した、契約関係でも。
 たとえ欲望だけでも、稔くんが私を求めてくれたことに、幸せを感じていた。

 ……ああ、私、彼が好きなんだ。今でも。

 覆いかぶさってくる重みと、汗ばんだ肌の匂いを受け止めながら、まどろむ意識の中で私は想いを自覚していた。
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