見合いで契約婚した幼馴染が、何故か激しい執着愛を向けてくるのですが!
翌日、週明けの月曜日。
仕事の都合で、私たちは新婚旅行のための有休をすぐには取らなかった。
なので私も稔くんも、普通に出勤した。
ちなみに昨日、つまり日曜日は、彼の帰りは本当に遅かった。
いちおう日付が変わるまでは待っていたのだけど、帰ってこなかったので、先に休んだ。うとうとしかけた頃、家のドアが開く音がかすかに聞こえたくらいだ。
いつ寝室に来たか、そもそも寝室で寝たのかも定かではない。
私は疲れて熟睡してしまっていた上、今朝7時に起きたら稔くんはすでに用意を整えて、出勤する寸前だったから。
『え、今日もこんなに早いん?』
『定例会議があるから。今日もたぶん遅い。行ってくる』
『い、行ってらっしゃい』
それだけのやり取りで、朝は別れた。
……そもそも、夫婦になってからの1日半の間、まともに会話できていない。
昨日も今朝も、早く出勤していく彼を見送るだけだった。
引っ越しして家は変わったけれど、なんだか、結婚したという実感は薄い。
今の状態だと単に、一人暮らしで引っ越しをしたのと感覚は変わらない。
もしくは、経験はないけどシェアハウスとか。
──そういえば稔くん、昨日も今朝も、標準語でしゃべっていたような。
そんなことに今になって気づく。