見合いで契約婚した幼馴染が、何故か激しい執着愛を向けてくるのですが!
そしてさらに、何日かが過ぎた頃。
帰宅してロビーの郵便受けを見ると、私宛てに封書が届いていた。
差出人の「太田綾子」は知らない名前だけど、私が通っていた高校の名前と「第○期同期会」の文字が添えられている。何の知らせなのか、それでピンと来た。
中身を見ると、果たして予想通り、同窓会のお知らせだった。高校3年のクラスで、卒業10年を記念して企画されたようだ。
差出人の名前は、結婚して姓の変わったクラスメイトで、当時は村上綾子さん。確か、何学期かの学級委員を務めていたように思う。
高3のクラスは、高校生活最後ということもあって、体育祭や文化祭などの行事ではかなり団結して取り組んでいた記憶がある。進学コースの組だったから受験対策もけっこう大変だったけど、ほとんどの生徒が頑張って勉強と学校生活を両立させていた。
そんなクラスの同窓会だから、行ってみたいなという気持ちが湧いた。
日時を見ると、約1ヶ月半後の、土曜日の夜だ。関西以外で仕事したり住んでいる人たちもいるだろうから、移動にかかる時間を考慮して土曜にしたのだろう。
私の会社は土日は完全休日だから、問題はない。
同封されている返送用の出欠ハガキを取り出す。
「出席」の2文字を丸で囲み、指定の場所に氏名と住所を書きながら、稔くんに相談すべきかな……という考えがちらりと頭をよぎった。
けれどすぐに、その考えを振り払った。