見合いで契約婚した幼馴染が、何故か激しい執着愛を向けてくるのですが!


 話を聞かせてもらう、とは確かに言われた。

「どう、そろそろ言う気になった?」

 けれどこんな状況下で聞くとは断じて言われていない。……いや、もしかしたらとうっすら、予測をしなかったわけではないけど。でも。

「あ、だめ、そこは──あぁっ」
「そうじゃない。ちゃんと聞かせて」

 まさかまた、ドレスを脱がないままに責められるなんて。
 おまけにネクタイで手首を拘束され、ヘッドボードに繋がれている……嫌でも数ヶ月前の夜を思い起こさせる状況に、私の頭はくらくらしていた。

 いつも以上にずっと、彼の愛撫で感じている。それをどうしようもなく認識してしまって、凄まじく恥ずかしい。私はこんな、倒錯した状況の方が実は好きだったのか──そんなことまで考えてしまう。

 あるいは、今晩はひどく焦らされているせいかもしれない。彼は身体中を触ったり舐めたりしているけど、ほとんどが服の上からで直接には触れてこない。今でさえ、大胆に広げさせられた足の間に顔を埋めながらも、下着を脱がせようとはしなかった。
 長い指は、ショーツの上から割れ目をなぞり、器用に突起を探り当てて弄ってくる。

「ひぁっ……」
「そんなに感じる? 明花もいやらしくなったな」
「言わ、ないで……っ、あぁっ!」

 布地越しに摘まれるだけで、腰が揺れるほどに感じてしまう。
 けれど、痛いほどにじんじんと疼くソコは、まだ足りないと訴えている。もっと強く、直接、触れてほしい──

「……と、しくんっ……だめ」
「何が?」
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