クール天狗の溺愛♡事情
素敵な出会い
お母さんの実家であるおじいちゃんとおばあちゃんの家に引っ越してきて二日ほど。
荷物の整理もある程度終わって余裕が出てきたわたしは午後から里の散策に出たんだ。
仁菜ちゃんも誘ってみたけれど、丁度家の手伝いをしなきゃならないらしくて一人で行くことにしたの。
でも、一人で他の里の人と交流を持つ自信がなかったわたしは、あまり人に会わないように歩いていた。
そうしたらなぜか自然と山に足が向いて、そのまま軽くハイキングでも……と気軽に入っちゃったのがダメだったのかもしれない。
慣れない山に一人で入って、わたしはすっかり迷ってしまっていたんだ。
途中までは確かに道があったのに、心地いい山の空気に触れて自然を満喫していたらその道も見失ってしまった。
家を出た頃はお日様もまだ高くて木々の間から木漏れ日が落ちていたけれど、そんな木漏れ日も見えなくなってきて、わたしは途方に暮れる。
「ここ、どこぉ……?」
呟いて泣きたくなってきたとき、パシャッと水の音が聞こえた。
「……水……そうだ、川!」
山の川はふもとに流れていくはず。
川を下れば、少なくとも山は下りられるはずだよね?
そう考えたわたしは藁にもすがる思いでさっき水音がした方へと足を向けたんだ。
荷物の整理もある程度終わって余裕が出てきたわたしは午後から里の散策に出たんだ。
仁菜ちゃんも誘ってみたけれど、丁度家の手伝いをしなきゃならないらしくて一人で行くことにしたの。
でも、一人で他の里の人と交流を持つ自信がなかったわたしは、あまり人に会わないように歩いていた。
そうしたらなぜか自然と山に足が向いて、そのまま軽くハイキングでも……と気軽に入っちゃったのがダメだったのかもしれない。
慣れない山に一人で入って、わたしはすっかり迷ってしまっていたんだ。
途中までは確かに道があったのに、心地いい山の空気に触れて自然を満喫していたらその道も見失ってしまった。
家を出た頃はお日様もまだ高くて木々の間から木漏れ日が落ちていたけれど、そんな木漏れ日も見えなくなってきて、わたしは途方に暮れる。
「ここ、どこぉ……?」
呟いて泣きたくなってきたとき、パシャッと水の音が聞こえた。
「……水……そうだ、川!」
山の川はふもとに流れていくはず。
川を下れば、少なくとも山は下りられるはずだよね?
そう考えたわたしは藁にもすがる思いでさっき水音がした方へと足を向けたんだ。