クール天狗の溺愛♡事情
「今日こそはデートするからな」
わたしの意見なんか聞かずにそう断言する。
でも、だからといって黙っているわけにもいかない。
「い、行きません!」
「キー!」
ハッキリ断ると、コタちゃんがわたしを守ろうと跳び上がった。
そのまま人型になろうと光り出したんだけれど……。
バクン、とコタちゃんは煉先輩が持っていた黒い箱のようなものに閉じ込められてしまう。
「コタちゃん!? 煉先輩、コタちゃんを出してください!」
「ダメだ。コイツキーキーうるせぇし、放っておくと邪魔者呼んできそうだからな。デートが終わるまではこのままにしとく」
「ですから、デートはしませんって――」
「いいえ、行ってもらいます」
「え?」
意識していなかった第三者の声に驚く。
声に視線を向けると、煉先輩の少し後ろに付き従うように眼鏡をかけた一人の男子生徒がいた。
どこかで見たことがある様な気がする。
もしかしたら、前に煉先輩に里を出て行けと言っていた中の一人じゃないかな?
でもどうしてそんな人が煉先輩と一緒に? って疑問を浮かべている間に、彼は手のひらに青白い炎を灯す。
その炎は煉先輩のような攻撃的なものというより、山里先輩の熱のこもらない白い炎に似ている気がした。
「ちょっと眠っててくださいね」
「え……? あ――」
山里先輩の炎と似ているなら幻術の類かもしれない、と思ったときには遅かった。
青白い炎が霧散したのを見た途端、意識が遠のく。
倒れる体を力強い腕が受け止めてくれたことだけが分かった。
わたしの意見なんか聞かずにそう断言する。
でも、だからといって黙っているわけにもいかない。
「い、行きません!」
「キー!」
ハッキリ断ると、コタちゃんがわたしを守ろうと跳び上がった。
そのまま人型になろうと光り出したんだけれど……。
バクン、とコタちゃんは煉先輩が持っていた黒い箱のようなものに閉じ込められてしまう。
「コタちゃん!? 煉先輩、コタちゃんを出してください!」
「ダメだ。コイツキーキーうるせぇし、放っておくと邪魔者呼んできそうだからな。デートが終わるまではこのままにしとく」
「ですから、デートはしませんって――」
「いいえ、行ってもらいます」
「え?」
意識していなかった第三者の声に驚く。
声に視線を向けると、煉先輩の少し後ろに付き従うように眼鏡をかけた一人の男子生徒がいた。
どこかで見たことがある様な気がする。
もしかしたら、前に煉先輩に里を出て行けと言っていた中の一人じゃないかな?
でもどうしてそんな人が煉先輩と一緒に? って疑問を浮かべている間に、彼は手のひらに青白い炎を灯す。
その炎は煉先輩のような攻撃的なものというより、山里先輩の熱のこもらない白い炎に似ている気がした。
「ちょっと眠っててくださいね」
「え……? あ――」
山里先輩の炎と似ているなら幻術の類かもしれない、と思ったときには遅かった。
青白い炎が霧散したのを見た途端、意識が遠のく。
倒れる体を力強い腕が受け止めてくれたことだけが分かった。