クール天狗の溺愛♡事情
するとわたしが説明するよりも先に煉先輩が簡単に状況を話し、わたしとコタちゃんに「逃げろ」と急かす。
「俺は歩けそうにねぇ。そんなちっこい木霊でも護衛がわりにはなるだろ……逃げろ」
「でも、ケガをしてる煉先輩を放っておくなんて……」
まだ吐き気は少し残っているけれど、原因と離れたおかげか今はずいぶんと楽になった。
だから確かに逃げることは出来るけれど、こんな状態の煉先輩を放っておけない。
「いいから、俺一人なら隠れてやり過ごすことも出来る。だから逃げろ」
「でも……」
それでも渋っているとコタちゃんが不満げに口を開いた。
「そんな奴放っておけばいいのに。だいたい美沙都を連れ出したのは煉でしょ?」
「でも、わたしを守ってくれたのも事実だし……」
こんなケガまでして……と痛々しい傷を見ていると、コタちゃんは「分かった」と軽くため息をついた。
「煉のケガが治れば気にせず逃げられるんだよね?」
「え? 治せるの?」
驚くわたしにコタちゃんは更に驚くことを言う。
「美沙都が治すんだよ」
「ええ!?」
そんな力わたし持ってないよ!?
「あやかしの源は結局のところ霊力だ。美沙都の神の霊力なら煉の霊力を上げて傷を塞ぐことくらいは出来るはずだよ?」
「でも、そんなのやったこともないし」
「俺は歩けそうにねぇ。そんなちっこい木霊でも護衛がわりにはなるだろ……逃げろ」
「でも、ケガをしてる煉先輩を放っておくなんて……」
まだ吐き気は少し残っているけれど、原因と離れたおかげか今はずいぶんと楽になった。
だから確かに逃げることは出来るけれど、こんな状態の煉先輩を放っておけない。
「いいから、俺一人なら隠れてやり過ごすことも出来る。だから逃げろ」
「でも……」
それでも渋っているとコタちゃんが不満げに口を開いた。
「そんな奴放っておけばいいのに。だいたい美沙都を連れ出したのは煉でしょ?」
「でも、わたしを守ってくれたのも事実だし……」
こんなケガまでして……と痛々しい傷を見ていると、コタちゃんは「分かった」と軽くため息をついた。
「煉のケガが治れば気にせず逃げられるんだよね?」
「え? 治せるの?」
驚くわたしにコタちゃんは更に驚くことを言う。
「美沙都が治すんだよ」
「ええ!?」
そんな力わたし持ってないよ!?
「あやかしの源は結局のところ霊力だ。美沙都の神の霊力なら煉の霊力を上げて傷を塞ぐことくらいは出来るはずだよ?」
「でも、そんなのやったこともないし」