クール天狗の溺愛♡事情
空の告白
すぐに上空まで飛び、煉先輩たちの姿も見えなくなる。
高校生たちはすぐに動ける感じではなかったみたいだし、煉先輩大丈夫だよね?
まだ痛みがあると言っていたからちょっと心配だけれど。
そんな風に思っていると、わたしを抱く風雅先輩の手に力が込められた。
「本当に、良かった……」
強い風の中、零れ落ちるようにそのつぶやきが耳に届く。
顔を寄せられて、耳元で話される。
「お前のクラスの生徒から、美沙都が日宮先輩に連れ去られたと聞いた瞬間から気が気じゃなかった。そのまま連れ去られてしまうんじゃないか、何か嫌なことをされてるんじゃないかって」
「風雅先輩……?」
「美沙都が山の神の娘だって認めたくない連中が邪魔してきて、そいつらがお前を里から追い出すと言っていて……美沙都が俺のそばからいなくなってしまうんじゃないかって……怖かった」
「……」
風雅先輩の思いが伝わってきて、胸がギュッとなる。
わたしも、風雅先輩と離れたくない。
ずっと、近くにいたい。
「美沙都」
「は、はい!」
耳元から顔を離した風雅先輩が、真剣な目でわたしを見下ろす。
透き通った新緑の目がわたしだけを映していて、ドキドキと胸が高鳴った。
高校生たちはすぐに動ける感じではなかったみたいだし、煉先輩大丈夫だよね?
まだ痛みがあると言っていたからちょっと心配だけれど。
そんな風に思っていると、わたしを抱く風雅先輩の手に力が込められた。
「本当に、良かった……」
強い風の中、零れ落ちるようにそのつぶやきが耳に届く。
顔を寄せられて、耳元で話される。
「お前のクラスの生徒から、美沙都が日宮先輩に連れ去られたと聞いた瞬間から気が気じゃなかった。そのまま連れ去られてしまうんじゃないか、何か嫌なことをされてるんじゃないかって」
「風雅先輩……?」
「美沙都が山の神の娘だって認めたくない連中が邪魔してきて、そいつらがお前を里から追い出すと言っていて……美沙都が俺のそばからいなくなってしまうんじゃないかって……怖かった」
「……」
風雅先輩の思いが伝わってきて、胸がギュッとなる。
わたしも、風雅先輩と離れたくない。
ずっと、近くにいたい。
「美沙都」
「は、はい!」
耳元から顔を離した風雅先輩が、真剣な目でわたしを見下ろす。
透き通った新緑の目がわたしだけを映していて、ドキドキと胸が高鳴った。