クール天狗の溺愛♡事情
「俺は、お前が好きだ」
「っ!?」
驚きすぎて言葉が出てこない。
いま……風雅先輩、なんて言った?
聞き間違いじゃ、ないよね?
目を見開くわたしに、風雅先輩は優しく話してくれた。
「……初めて祠で会ったとき、コタになつかれている美沙都を見て可愛いなって思った。そのことに俺自身驚いたんだ、同年代の女の子のことそういう風に思ったことなかったから」
「そう、なんですか?」
「ああ。それからも可愛いって思う気持ちは変わらなくて……独り占めしたいって思いが強くなって……那岐や日宮先輩に気に入られていく美沙都に独占欲が止まらなくなった」
それって……。
期待に心音が早くなる。
目の前の風雅先輩の表情が、優しくて、ひたすらに甘い笑顔になった。
「気づいたときには、俺はとっくに美紗都のことを好きになっていたんだ」
「っ! ふうが、せんぱっ……!」
聞き間違いじゃないことが分かって、今度は嬉しさに言葉が詰まる。
ちゃんと呼びたいのに、言葉が出せない。
でも風雅先輩はわたしが落ち着くのをちゃんと待ってくれた。
そして、優しく聞かれる。
「美沙都……返事、聞かせてくれ」
「っ! わた……わたしも、風雅先輩が好きですっ……きっと、初めて会ったときから」
そう、初めて会ったあのとき。
風雅先輩の綺麗な新緑の目を見た瞬間、恋に落ちていたんだ。