クール天狗の溺愛♡事情
一章 あやかしの里
カラス天狗の風雅先輩
昨日無事入学式を終えたわたしは、朝から学校敷地内の中庭に来ていた。
「コタちゃーん、どこー?」
呼びかけながら草むらや木の陰をのぞき込みコタちゃんを探す。
ここの中庭は花壇より木々が多い。
木霊という精霊に近いあやかしであるコタちゃんはこういう草木が多い場所を好むから、こっちの方に来てると思ったんだけど……。
「いないなぁ……」
ぐるりと見まわしてもいる気配がない。
別の場所だったかな? と思って移動しようとしたとき、「キー!」という鳴き声が聞こえた。
聞こえた方に目をやると、このあたりで一番大きな木の枝のところにふわふわした白い毛玉が見える。
手のひらサイズのそれにはつぶらな目が2つ付いていて可愛い。
「コタちゃん!」
小さなぬいぐるみみたいなそれは、わたしが探していた木霊のコタちゃんだった。
頑張ってわたしのところに来ようとしているけれど、何かに引っかかっているのか枝の上から降りられないみたい。
「……登れる、かな?」
木登りはそんなに得意じゃないけれど、見た感じ足場になりそうなところは結構ある。
わたしは「よし!」と意気込んで木にしがみついた。
「コタちゃーん、どこー?」
呼びかけながら草むらや木の陰をのぞき込みコタちゃんを探す。
ここの中庭は花壇より木々が多い。
木霊という精霊に近いあやかしであるコタちゃんはこういう草木が多い場所を好むから、こっちの方に来てると思ったんだけど……。
「いないなぁ……」
ぐるりと見まわしてもいる気配がない。
別の場所だったかな? と思って移動しようとしたとき、「キー!」という鳴き声が聞こえた。
聞こえた方に目をやると、このあたりで一番大きな木の枝のところにふわふわした白い毛玉が見える。
手のひらサイズのそれにはつぶらな目が2つ付いていて可愛い。
「コタちゃん!」
小さなぬいぐるみみたいなそれは、わたしが探していた木霊のコタちゃんだった。
頑張ってわたしのところに来ようとしているけれど、何かに引っかかっているのか枝の上から降りられないみたい。
「……登れる、かな?」
木登りはそんなに得意じゃないけれど、見た感じ足場になりそうなところは結構ある。
わたしは「よし!」と意気込んで木にしがみついた。