クール天狗の溺愛♡事情
人間の街からこの里に引っ越してきて、はじめて人間とは違う部分を目の当たりにしてただただ驚いた。
お母さんも、おじいちゃんおばあちゃんもサトリだから見た目は人間と全く変わりない。
お隣の仁菜ちゃんの家は猫又で、興奮したときとかは猫耳としっぽが生えるらしいけれど今のところ見たことがない。
だからここがあやかしの里だと分かってはいても、実感したのは今この瞬間が初めてだったんだ。
「ん? ああ。そういえば言ってなかったな。俺はカラス天狗のあやかしなんだ」
「カラス……天狗……」
繰り返しながら納得した。
艶やかに青みがかった黒い羽根は、確かにカラスの羽みたい。
……そういえば、風雅先輩みたいな綺麗な黒髪のことをカラスの濡れ羽色って言うんだっけ?
なんて思った。
「さ、行くぞ」
ぼーっとして見つめていると、またわたしの近くに来た風雅先輩がそう言ってわたしを抱きかかえる。
「え?」
突然のことに頭が追い付かない。
わたし、風雅先輩にお姫様抱っこされてる?
「……えぇ!?」
理解出来ても、なんでこんなことになっているのかが分からない。
お母さんも、おじいちゃんおばあちゃんもサトリだから見た目は人間と全く変わりない。
お隣の仁菜ちゃんの家は猫又で、興奮したときとかは猫耳としっぽが生えるらしいけれど今のところ見たことがない。
だからここがあやかしの里だと分かってはいても、実感したのは今この瞬間が初めてだったんだ。
「ん? ああ。そういえば言ってなかったな。俺はカラス天狗のあやかしなんだ」
「カラス……天狗……」
繰り返しながら納得した。
艶やかに青みがかった黒い羽根は、確かにカラスの羽みたい。
……そういえば、風雅先輩みたいな綺麗な黒髪のことをカラスの濡れ羽色って言うんだっけ?
なんて思った。
「さ、行くぞ」
ぼーっとして見つめていると、またわたしの近くに来た風雅先輩がそう言ってわたしを抱きかかえる。
「え?」
突然のことに頭が追い付かない。
わたし、風雅先輩にお姫様抱っこされてる?
「……えぇ!?」
理解出来ても、なんでこんなことになっているのかが分からない。