クール天狗の溺愛♡事情
「しっかりつかまってろよ?」
わたしが戸惑っている間にもそう言って体に力を入れた風雅先輩は、翼をはばたかせて地を蹴った。
「っ!?」
風圧でずっとわたしの肩に乗っていた木霊が転げ落ちそうになって、慌てて受け止める。
そのまま片手で木霊を抱いて、もう片方の手で風雅先輩のブレザーをギュッと掴む。
上からの風圧がなくなると、バサッバサッという翼の音と強い風の音がする。
「わぁ!」
夕日に照らされた北妖の里を見渡して、感動した。
山に囲まれた、広がる田畑。
高いビルなんてない、開けた自然。
その一面が橙色に染まっている。
空から見渡すなんてなかなか出来ることじゃない。
景色に見惚れていると、風雅先輩が顔を寄せて聞いてきた。
「で? 美沙都の家はどこだ?」
「っ!」
すぐ近く、耳元で質問されてまたドキドキしてしまう。
風の音が強いから、それくらい近くないと聞こえないんだろうけれど……。
し、心臓に悪いよぉ!
口から心臓が出てきちゃうんじゃないかって思うくらいのドキドキを何とか抑えて、わたしは自分の家を探す。
土地勘がないから見つけられるか心配だったけれど、仁菜ちゃんの家の赤い屋根とわたしの家の青い屋根が並んでいるのは思っていたより目立っていてすぐに見つけられた。
わたしが戸惑っている間にもそう言って体に力を入れた風雅先輩は、翼をはばたかせて地を蹴った。
「っ!?」
風圧でずっとわたしの肩に乗っていた木霊が転げ落ちそうになって、慌てて受け止める。
そのまま片手で木霊を抱いて、もう片方の手で風雅先輩のブレザーをギュッと掴む。
上からの風圧がなくなると、バサッバサッという翼の音と強い風の音がする。
「わぁ!」
夕日に照らされた北妖の里を見渡して、感動した。
山に囲まれた、広がる田畑。
高いビルなんてない、開けた自然。
その一面が橙色に染まっている。
空から見渡すなんてなかなか出来ることじゃない。
景色に見惚れていると、風雅先輩が顔を寄せて聞いてきた。
「で? 美沙都の家はどこだ?」
「っ!」
すぐ近く、耳元で質問されてまたドキドキしてしまう。
風の音が強いから、それくらい近くないと聞こえないんだろうけれど……。
し、心臓に悪いよぉ!
口から心臓が出てきちゃうんじゃないかって思うくらいのドキドキを何とか抑えて、わたしは自分の家を探す。
土地勘がないから見つけられるか心配だったけれど、仁菜ちゃんの家の赤い屋根とわたしの家の青い屋根が並んでいるのは思っていたより目立っていてすぐに見つけられた。