クール天狗の溺愛♡事情
何とかコタちゃんのいる枝までたどり着き、手を伸ばす。
「コタちゃん、大丈夫?」
声をかけてよく見ると、コタちゃんの長い毛が木のささくれに引っかかっていたみたい。
腕をグググッと伸ばして何とか引っかかっていたところを取る。
「キー!」
すると嬉しそうに鳴いたコタちゃんはそのままわたしの手のひらに乗ってくれた。
そこでホッとしてしまったのが悪かったのかな?
少しバランスを崩してしまってしがみついていた木から体が離れる。
「あわわわ!」
コタちゃんを放り投げて両手で木にしがみつければ落ちなかっただろうけれど、そんなこと出来るわけがない。
わたしは痛みがくる覚悟を決めて、コタちゃんが痛い思いをしないように胸の前に抱きこんだ。
そして完全に木から離れて浮遊感にギュッと目を閉じたとき――。
バサッ!
まるで大きな布が強い風を受けたときのような音が近くで聞こえた。
同時に浮遊感がなくなり誰かの腕に抱きとめられる。
バサッバサッと音も繰り返し聞こえて、閉じていた瞼を恐る恐る上げた。
「美紗都……お前、本当に危なっかしいな?」
すぐ近くに現れた顔はとても整ったもの。
青みがかったキレイな黒髪に、新緑を思わせる澄んだ緑の瞳。
一昨日にも同じ距離、同じ角度で見た男の子の顔がそこにあった。
「コタちゃん、大丈夫?」
声をかけてよく見ると、コタちゃんの長い毛が木のささくれに引っかかっていたみたい。
腕をグググッと伸ばして何とか引っかかっていたところを取る。
「キー!」
すると嬉しそうに鳴いたコタちゃんはそのままわたしの手のひらに乗ってくれた。
そこでホッとしてしまったのが悪かったのかな?
少しバランスを崩してしまってしがみついていた木から体が離れる。
「あわわわ!」
コタちゃんを放り投げて両手で木にしがみつければ落ちなかっただろうけれど、そんなこと出来るわけがない。
わたしは痛みがくる覚悟を決めて、コタちゃんが痛い思いをしないように胸の前に抱きこんだ。
そして完全に木から離れて浮遊感にギュッと目を閉じたとき――。
バサッ!
まるで大きな布が強い風を受けたときのような音が近くで聞こえた。
同時に浮遊感がなくなり誰かの腕に抱きとめられる。
バサッバサッと音も繰り返し聞こえて、閉じていた瞼を恐る恐る上げた。
「美紗都……お前、本当に危なっかしいな?」
すぐ近くに現れた顔はとても整ったもの。
青みがかったキレイな黒髪に、新緑を思わせる澄んだ緑の瞳。
一昨日にも同じ距離、同じ角度で見た男の子の顔がそこにあった。