クール天狗の溺愛♡事情
「うぜぇ……お前の役目は山の神を守ることだろ?」
「正確には、山の神の大事なものを守ること、ですね」
「だから里のあやかしも守るってか? 別に危害を加えるわけじゃねぇんだしいいじゃねぇか。嫁に貰おうとしてるだけだろ?」
「……それが一番気に食わないんですけどね」
と、こんな感じでいつも決着のつかない問答が繰り返される。
その間にコタちゃんはわたしの手の上に戻って来て……。
「とにかく、美沙都は渡しません」
そう言った風雅先輩がグッと体に力を入れて翼を出すと、わたしの体が浮いた。
またお姫様抱っこされてる!? と、気づくと同時に近くで「飛ぶぞ」と短く声がする。
そして、次の瞬間には風雅先輩が地を蹴った。
空に向かって飛びながら、地上の煉先輩が「飛んで逃げるのは卑怯だろ!?」と怒鳴っているのが聞こえる。
特注のものだという制服は背中にパッと見分からないような切れ込みがあるんだとか。
そこからうまく翼を出して飛ぶ風雅先輩。
下から見上げるようにそのキレイな顔を見て、恥ずかしくて視線を落とす。
彼の心音まで聞こえてくる近さ。
風雅先輩の鼓動が普通より早い気がするのはわたしの願望なのかな?
「正確には、山の神の大事なものを守ること、ですね」
「だから里のあやかしも守るってか? 別に危害を加えるわけじゃねぇんだしいいじゃねぇか。嫁に貰おうとしてるだけだろ?」
「……それが一番気に食わないんですけどね」
と、こんな感じでいつも決着のつかない問答が繰り返される。
その間にコタちゃんはわたしの手の上に戻って来て……。
「とにかく、美沙都は渡しません」
そう言った風雅先輩がグッと体に力を入れて翼を出すと、わたしの体が浮いた。
またお姫様抱っこされてる!? と、気づくと同時に近くで「飛ぶぞ」と短く声がする。
そして、次の瞬間には風雅先輩が地を蹴った。
空に向かって飛びながら、地上の煉先輩が「飛んで逃げるのは卑怯だろ!?」と怒鳴っているのが聞こえる。
特注のものだという制服は背中にパッと見分からないような切れ込みがあるんだとか。
そこからうまく翼を出して飛ぶ風雅先輩。
下から見上げるようにそのキレイな顔を見て、恥ずかしくて視線を落とす。
彼の心音まで聞こえてくる近さ。
風雅先輩の鼓動が普通より早い気がするのはわたしの願望なのかな?