落花流水ノ情


yu-sei side


芽緒の手当てをしているだけなのに見とれてしまう。

顔…小せぇ……。

こんな小さな顔に大きな擦り傷。

脚ほっそ。

これまた細い脚に大きな擦り傷。

「いっ…」

「え、ごめん、痛かった?」

「うっそー」

べーっと舌を出す芽緒。

「このやろ…」

でも初めて俺の前でふざけてくれた。

そんな些細な事さえもうれしくて。
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