幼なじみはエリート潜水士
1.プロローグ



 薄暗い海底に沈んでいく私。



 海面を見上げたまま、息もできずに意識が遠くなっていく。

 冷たい海水を含んだ服も重くて、体の自由がきかない。

 でも、太陽の光が反射する海面へ向けて、無意識に右手を伸ばした。


 小学生の私が差し出す小さな手が、力強く引き寄せられる。



「ハルくん……」



 目を見開き、私の体を抱きかかえて海面へ向かう幼なじみ。

 泳ぎが得意な体力自慢の男の子。



 助けてくれてありがとう。

 キミは……




 これからもずっと、私のヒーローでいてほしいな……







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