幼なじみはエリート潜水士
2.心の片隅にあるヒーローの存在


 商社に勤務するOLの私。


 今日も頭髪の薄い課長から、色々と理不尽な文句を言われてウンザリしてる。


「は~あ……」


「村本さん、仕事中に溜息ついてるなんて余裕だね」


「すいません課長……」


「もしかして、疲れてるのかな?」


 嫌味ったらしく言いながら背後に回った課長が、椅子に座る私の肩に両手を乗せてきた。

 優しい手つきでモミモミしながら「こってるね~」と、わざとらしく言ってくる。


 机を前に、パソコンで書類を制作してた私の背中に悪寒が走った。

 振り返って目を細め、課長を睨み付けると……


 油ぎった額をキラッと光らせ、白い歯を見せながらニヤニヤして悪びれた様子もない。


 周りにいる同僚も、あの課長またやってる、ぐらいな冷たい目で見てるだけ……



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