幼なじみはエリート潜水士

 左腕に嵌まる、ダイバーズウオッチを目にして確信した。


「ハルくん……」


 私は目を大きく見開き、口元を両手で隠しながら小声でつぶやいてしまう。

 でも、周りには気づかれてなかったみたい。


 場ちがいな感じの彼だけど、サトちゃんとスーさんは興味津々。

 全く交流がないタイプの男性を見て、ちょっとテンションが上がってる。


 それにしても、体つきが子供の頃とは別人だ。

 細身だけど、Tシャツの上からでも分かるぐらい胸の筋肉が盛り上がってる。

 足も、腕も、鍛えられた肉体は着てる服でも隠しきれてない。

 凛々しく細めた目は、クールで男らしくカッコイイ。


 幼少の頃はポッチャリ体型だったけど、スポーツ万能で体育会系だった。

 かわいい顔で、いつも私に微笑んでくれていた姿はどこにもない。


 会社という組織の中で、働いてるようなタイプではなさそうだけど。

 いったい彼は、今、何をやっているのだろう……


 小学生の時に離ればなれになってから、数年たった今日。

 大好きだった幼なじみと、偶然の再会……



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