幼なじみはエリート潜水士

「ごめんね永井くん、無理に誘ってしまって」


　ＳＥさんも、申し訳なさそうに話てる。


「いえ、たのしかったです。じゃあ、またジムで」


　そう言うと、会費を払ったハルくんは立ち上がって床に置いてあったバックパックを背負いはじめた。

　背を向けて、歩き出した彼は店を出て行こうとしてる。


「あの……」


「奈々ちゃん、なにかあった？」


　うつむきながら小声で話す私を、心配そうに見つめるスーさん。


「私……ごめんなさい……」


　小さな声で話す私は、急に立ち上がる。

　驚くスーさんと酔ったサトちゃんを残し、私も店を飛び出した。


　一つしかないエレベーターは一階で止まってるので、上がってくるまで時間が……


「ハルくん待って、私を置いてかないでよ」


　あせる私は、何度もエレベーターのボタンを押し続ける。