幼なじみはエリート潜水士
やっとの思いで乗り込んだエレベーターを降り、ビルの外に出るけどハルくんの姿は無い。
「どこに行ったのよ……」
左右をキョロキョロ見回してると、歩く人の隙間からバックパックが目に付いた。
「ハルくんだ!」
私は夢中で走り始める。
パンプスをカツカツ鳴らし、人目も憚らず叫びながら全力疾走。
「待って、ハルくん!」
彼は歩みを止めず、人混みに紛れていく。
「待ちなさいよ! 春樹っ!」
私のほうがアンタより年上なのに、どうして言うこと聞いてくれないの!
こっちはスカートで走りづらいし、足下だってパンプスなんだよ!
お願いだから止まってよ、ハルくん!
「社畜OLなめんじゃないわよっ!」
意味不明な気合いを入れ、走り寄った私は彼のバックパックを手でつかんだ。