幼なじみはエリート潜水士
「誰だ急に、危ない……」
振り返って口を開いたハルくんの言葉を断ち切るように。
私は思いっきり、彼を真っ正面から抱きしめてしまう。
「何度も言ったよ、待ってほしいって……」
彼の盛り上がった胸板に顔を埋め、人目も憚らず私は涙を流してしまう。
周りの人なんか関係ない、このチャンスを逃したら一生会えないかもしれない。
そう考えて、必死に走って追いかけた。
大人になって偶然の再会、お互いに成長したかもしれないけど、私の心は幼い時のまま。
大好きな幼なじみが目の前にいると思ったら、思わず涙が出てきたよ……
「やっぱり奈々ちゃんだったか、すごく美人になったね」
私は顔を上げ、ハルくんを見ると満面の笑顔だった。
その表情を見た私も、涙目のまま微笑んでしまう。
「ハルくんも、成長したね……」
「まあな、牛乳とか飲んでたし」
「なにそれ!?」