幼なじみはエリート潜水士

 私は彼から離れ、涙目を指先で擦りながら笑ってしまう。


「OLさんみたいな感じだったし、東京に奈々ちゃんがいると思ってなかったから……人ちがいじゃないかって、思ったんだ……」


 人差し指で頭をポリポリ、申し訳なさそうな表情で話すハルくん。

 そんな仕草を目にした私は、何もかも許してあげられる。


「髪も長くて、奈々ちゃんオシャレだな。すごくイイ感じだよ」


「えっ、そうかな……」


 さっきの合コンで、サトちゃんやスーさんには何も言わなかった。

 ハルくんは、誰でも褒めるって感じじゃない。

 もしかして、私だけ特別な目で見てくれてる……


「あの、ハルくん……」


「なに?」


「私は商社でOLやってるんだけど、キミは東京で何をしてるの……」


 鍛え上げられた肉体、短い髪で礼儀正しく背筋もピンとしてる。

 ジムに通ってるだけじゃない、特別な訓練か何か。


 私は色々と勘ぐってしまう……



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