幼なじみはエリート潜水士
「公務員」
「えっ、ハルくん公務員なの?」
その鍛え上げられた肉体で公務員?
体育の先生とか?
都庁の警備かな?
私が頭を横に傾げて不思議顔をしてると、ハルくんが左腕を見せてきた。
その腕には、ダイバーズウオッチが嵌められてる。
「俺のお守り、いつもコレに助けられてる職業さ」
母と離婚した父が、小学生の時、ハルくんにプレゼントしたもの。
今でも大事につかってくれてるとは知らなかった。
数年前に他界して天国にいる父も、ハルくんが腕に嵌めてる姿を見たら喜ぶね。
「これは、奈々ちゃんのお父さんが残した形見だと思ってる」
「知ってたんだね、ハルくん……」
地元に残っていた父のことは、ハルくんの耳にも入ってたんだ。