幼なじみはエリート潜水士
6.みんな、ありがとう・・・
「えっ、ここはどこなの……」
真っ暗で何も見えないし、体中が痛い。
太もものあたりまで水に浸かってるけど、状況は不明。
前後左右に体を揺すられながら、水がピチャピチャする音が聞こえる。
「痛いっ、なによ! もう!」
頭をどこかに打ち付けたのか、激痛が走った。
手を伸ばして周りにある物に触れてみるけど、判断は難しい。
暗闇で一人、不安な気持ちが増幅していく。
「いったい、どうなってしまったのかしら……」
サトちゃんとスーさんの叫び声を、耳にした後の記憶がない。
ここにいるのは私だけなのは確かのようだ。
椅子のようなものに座ってるみたいだけど、地に足がついてない。
ブラブラと足を動かしても、物に当たる感触は伝わってこなかった。
私は、狭い空間の中で水がピチャピチャする音を耳にしてるだけ……