幼なじみはエリート潜水士
私の背後から離れ、サトちゃんは鼻息荒くガッツポーズをしながら宣言してる。
そして、自販機から紙コップを取り出すと、私のホットコーヒーを飲み始めた。
「サトちゃん、それ私のだけど……」
「はうぅ~、そうだった! メンゴメンゴ! 奈々ちゃんカワイイから別にいいじゃん!」
「なんでそうなるの?」
「カワイイは正義だよっ!」
「……」
唯我独尊の天然系女子に何を言ってもかなわない。
しかたなく、私は自販機に再びお金を入れる。
「わ~い! 二人だけでズルいよ~!」
もう一人、仲の良い同期の子が姿を見せた。
名前は須藤(すどう)さん、通称スーさん。
外見も可愛くて、いつも笑顔の営業女子社員。
優しい人柄で癒し系の彼女も、男性社員から人気がある。
私たち三人は、なぜか気が合うので一緒にいることが多い。