幼なじみはエリート潜水士

 私の背後から離れ、サトちゃんは鼻息荒くガッツポーズをしながら宣言してる。

 そして、自販機から紙コップを取り出すと、私のホットコーヒーを飲み始めた。


「サトちゃん、それ私のだけど……」


「はうぅ~、そうだった! メンゴメンゴ! 奈々ちゃんカワイイから別にいいじゃん!」


「なんでそうなるの?」


「カワイイは正義だよっ!」


「……」


 唯我独尊の天然系女子に何を言ってもかなわない。

 しかたなく、私は自販機に再びお金を入れる。


「わ~い! 二人だけでズルいよ~!」


 もう一人、仲の良い同期の子が姿を見せた。

 名前は須藤(すどう)さん、通称スーさん。


 外見も可愛くて、いつも笑顔の営業女子社員。

 優しい人柄で癒し系の彼女も、男性社員から人気がある。


 私たち三人は、なぜか気が合うので一緒にいることが多い。



< 6 / 80 >

この作品をシェア

pagetop