幼なじみはエリート潜水士
「なんだろう、すごく寒気がする」
体が冷えて、悪寒を感じてしまう。
私はいつから、この場所に座っていたのだろう。
勇気を出し、立ち上がってみようと思ったけど……
もしかしたら、深い水の中に体が沈んでしまうかも……
そう考えたら、幼少の頃に経験したトラウマが脳裏に浮かんできた。
「ハルくん……」
暗闇の中でも確実に分かるぐらい、水かさが増してる。
膝やお尻の辺りも濡れてきた。
何も状況が分からないまま、私は水の中に沈んでしまうんじゃないのか。
怖くて身動きはとれない。
その時、私の太ももに何か堅いものが当たった。
「なんだろう……」
両手で拾い上げたけど、暗くて何も見えないので色々と手で触ってみる。
「この形、ワインボトルだよね……」
ゲストルームに置かれた、ワインセラーを思い出す。
「じゃあ、ここは……」
私が乗り物酔いで休憩してた、ベッドのある船内で間違いなさそう……