幼なじみはエリート潜水士
7.エピローグ
私は今、会社を抜け出して浜松町からモノレールに乗り込んでる。
天気のいい昼下がりだけど、平日ということもあって乗客の姿は少ない。
椅子に座り、ケーキがたくさん入った箱を膝の上にのせる。
窓枠に片膝をついて、外の町並みに視線を向けていた。
行き先は羽田空港、でも到着するまで時間はある。
外の景色を眺めていると、先日からの出来事を頭の中で回想してしまう……
私が目を覚ますと、暖かい病院のベッドの上だった。
打撲や擦り傷はあったけど、大きなケガは見当たらない。
私の左腕に目を向けると、ダイバーズウオッチが嵌められたままだった。
病院を数日で退院した私は、翌日から仕事に向かう。
スマホはクルーザーと一緒に、薄暗い深海に眠ってるから社内の事情は分からないまま。
出社直後、申し訳なさそうに平謝りする課長から、社員がいない廊下に呼び出され……
すべての事情を聞かされた……