幼なじみはエリート潜水士
「奈々ちゃん、いい話しを聞きたくないの?」
「……教えてください」
しかたない、コーヒーは二人にプレゼントしよう。
私は口をヘの字に曲げながら、自販機にお金を入れて再びボタンを押した。
紙コップにホットコーヒーが注がれていくのを目にしていた私の背後で、スーさんが静かに口を開く。
「ねえねえ、うちの会社にきてるSEさん知ってる?」
私は紙コップを手に持ち、コーヒーを一口飲んでからスーさんに向けて答える。
「SEって、システムエンジニアさんでしょ?」
「そうだよ、奈々ちゃん」
「黒縁メガネのイケメンさん、話したことないけど社内でよく見かけるわね」
モテ期のスーさんが、目をキラッと光らせる。
私とスーさんの会話に、興奮ぎみのサトちゃんが割って入って騒ぎ始めた。