極上男子短編集
生徒１のイケメンに愛されて

イジラれキャラ

お昼のお弁当を食べ終えて自分の席でうとうとしていると、突然後ろから背中を叩かれた。


驚いて振り向くとそこにはクラスメートの美穂と有子の2人組が立っていた。


2人はおしゃべりしながら歩いていたようで、身振り手振りで大げさにリアクションをした際、私の背中にぶつかってしまったらしい。


「あ、ごめーん」


栗色の髪の毛をくるくるにカールさせた美穂が全く悪く思っていない口ぶりでいう。


「大丈夫だよ」


私は苦笑いを浮かべて答える。


悪気があったわけではなさそうだし、そんなに痛くはなかったし、怒るほどのことでもない。


そう思って再びうとうとし始めたとき、またドンッと背中になにかがぶつかってきた。


振り向くとまた美穂たち2人組だ。


が、今度は口元にニヤニヤとしたいやらしい笑みを浮かべてこちらを見ている。


わざとだと咄嗟に理解した。


「あ、ごめーん。ほんと、わざとじゃないんだぁ」


文句を言おうと思ったのに、先に間延びした声でそう言われてしまって「いいよ。大丈夫だから」と答えてしまった。


前に向き直って小さくため息を吐き出す。


せっかくの心地よい眠気はどこかに吹き飛んでしまった。
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