極上男子短編集
「早く次のテストを受けて、アニメリアルタイムで見れるようになったらいいよね」


桃の言葉にハッとした気分になった。


そうだった。


そもそもの目的なアニメを見るためだ。


アニメを見る前に勉強するように言われて、リアルタイムで見ることができなくなった。


そんな日常を返るための勉強だ。


それなのに……。


今私はテストでいい点数を取れば、清水くんと距離が離れてしまうんじゃないかと不安になっていた。


どうしたんだろう。


私の中で自分でも知らない感情が生まれつつあるのを感じて戸惑っている。


「摩耶、どうしたの?」


ぼーっとしてしまっていた私は無理やり笑みを浮かべて「なんでもない」と、小さな声で答えたのだった。
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