極上男子短編集
☆☆☆

その日も放課後になると清水くんとの勉強時間が始まった。


一応私は図書委員なので、カウンターから見える位置に座っている。


とても日当たりのいい場所なのでつい眠気に襲われそうになるけれど、必死で問題に取り組んでいた。


「今日は少し暑いくらいだな」


清水くんはそう言って窓のブラインドを下げた。


日差しが和らいでホッと息をつく。


4月でもここまで日差しが入り込んでくるのだから、本格的な夏になるとこの席は使えなくなるかもしれない。


そう思って少しだけ焦燥感を覚えた。


夏になった頃自分は今と同じように勉強していられるだろうかと考えてしまったのだ。


もちろん夏になるまでにテストはあるだろう。


そのテスト結果によってはもうこういう関係もなくなってしまうかもしれないのだ。


「……清水くんは、家でも勉強してるの?」


清水くんと距離ができてしまうかもしれない悲しみを押し隠して、関係のない質問をした。


「あぁ、もちろん」


「そっか。それじゃ大変でしょう? やっぱり、ここでちゃんと勉強した方が良いんじゃないかな?」
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