極上男子短編集
☆☆☆

あの日、あの瞬間から私はなにかおかしいみたいだった。


大好きなアニメを見ていても身に入らないし、学校では気がつけば目で清水くんのことを追いかけてしまう。


そのくせ一緒に勉強しているときには緊張して清水くんの顔みることができなかった。


私の教科書を確認するためにグッと身を寄せてきたとき、ふわりと香る爽やかなシャンプーの香りはずっとかいでいたいと思う。


「私、病気にでもなったのかな」


真剣な表情でそう言うと、桃はプッと吹き出した。


昼休憩鳴か、一緒にお弁当広げているときのことだった。


ここ最近の自分の不具合を桃に打ち明けた後のことだった。


「それは恋だよね?」


桃に言われて私はまばたきを繰り返した。


「私が好きなのはレイヤ様だけだよ?」


「それはわかってる。だけど清水くんのことも好きになったんだよ」


桃の言っていることがイマイチ理解できない。
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