極上男子短編集
☆☆☆

それからも清水くんとの勉强は続いた。


「最近小テストがないよな」


勉强途中にふと清水くんが呟く。


確かにあのときの抜き打ちテストを最後に、テストは行われていなかった。


そのため私のテストの点数がどう変化しているのかもわからない。


それはこの勉強時間を長引かせる要因ともなっていたので、私にとっては嬉しいことだった。


できれば次のテストは中間テストであってほしい。


「よし、できた!」


清水くんに言われたテキストを最後まで答え終えてようやく一息つく。


これができたら5分休憩だと言っていたし、なにか飲み物でも買いに行こうか。


そう思って隣を見たときだった。


清水くんはテーブルにつっぷし、メガネを外して寝息を立てていたのだ。


その邪気な寝顔に心臓がドクンッと跳ねる。


家でも学校でも勉強をして疲れているんだろう。


すーすーと規則正しい呼吸音に合わせて背中が上下している。
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