極上男子短編集
その後自分がなにをしてしまったのか理解して、顔がカッと熱くなるのを感じた。


清水くんはまだ寝息を立てたままで、ホッと胸をなでおろす。


いくら彼が魅力的だからって寝込みを襲ってしまうなんてありえない。


ドクドクと高鳴る心臓を服の上から押さえてシャーペンを手にした。


教科書の問題を睨みつけて、先程の出来事を忘れようとする。


しかしそんな努力も虚しく、隣で目を覚ます気配があった。


「ごめん、寝てた」


顔を上げて照れ笑いを浮かべる清水くんに心臓が一際大きくはねた。


寝起きの清水くんもカッコイイ……。


それ以外の言葉と感想がでてこない。


「で、問題は進んだ?」


メガネをかけて仕切り直しといった様子で私のテキストを覗き込んでくる。
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