極上男子短編集
☆☆☆

翌日、泣いて少し目元が腫れた状態で学校へ行くと、すぐに桃が心配そうな顔を浮かべた。


「大丈夫?」


「あんまり大丈夫じゃないかも」


寝不足もたたってひどい声をしている。


昨日の放課後は図書室にも来てくれなくて、話しはできていないと伝えると桃は難しそうな表情になった。


「これは重病かもしれないね」


腕組みをしてわかった顔でつぶやく桃に私は首をかしげる。


「重病になるくらい、私のことを嫌いになったってこと?」


「そうじゃなくてさ、当時の様子をもう少ししっかり思い出してみなよ」


言われて私はあのときのことを思い出した。


清水くんの寝顔があまりにキレイでカッコよくて、ツヤツヤの唇が魅力的で、思わず顔を近づけて、触れるだけのキスをした。


「その時、清水くんは起きてた。それに怒ってなかったんだよね?」
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