極上男子短編集
「う、うん」


「清水くんは怒ったのは、どのタイミングだった?」


「えっと、確か私が……」


レイヤ様の話をし始めたときからだ。


彼はその時から不機嫌そうな表情を浮かべて、帰って行ってしまった。


「ねぇ、それってやっぱりその話題がまずかったんだよ。レイヤ様に似ているからキスしたなんて言われたから」


「それじゃ、私がキスをしたことに怒っているんじゃなくて?」


桃は左右に首をふった。


「たぶん、そうじゃないと思う」


言われて大きく目を見開いた。


キスしたことを怒っているのなら、もう取り返しがつかない。


いくら謝罪しても許してもらえることではないと思う。


でも、そじゃないなら。
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