極上男子短編集
「ダサイよな。アニメキャラに嫉妬して無視するとか。図書室にも行かなかったし」


清水くんは自分の行いを悔いるようにブツブツと呟いている。


そんな彼が可愛くて愛おしくて、私は清水くんの手を両手でギュッと握りしめた。


毎日シャーペンを持って必死に勉強している指先にはペンだこが耐えない。


それすらも愛おしかった。


「全然ダサくなんてないよ! 清水くんは、世界一カッコイイ!」


「そ、そうかな」


「うん。だから……だから、これからも私に勉強を教えてください!」


勢いよく言って頭を下げる。


すると彼は少し不機嫌そうな声色で「勉強だけ?」と、聞いてきた。


「えっと、それは、その……」


もちろんそれ以外もだ。


せっかく両思いになれたんだし、高校生活を満喫したいとも思っている。


だけどそれを口に出すには勇気が必要だった。


もじもじして動けなくなっている私の顎に指を当てて、彼に顔をあげさせられた。
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