極上男子短編集
自分だけが知っていると思っていた裕太のいい部分も沢山の生徒たちに知られてしまい、その人気はうなぎのぼりだ。


そのため、他のマネージャーたちのように裕太目的で入部希望を出してくる女子生徒は後をたたない。


「あれ、裕太くん!?」


せっかくの2人の時間を切り裂くように女子生徒の声が聞こえきて、私と裕太は同時に顔を向けた。


そこには2人組のマネージャーの姿があった。


裕太の表情が一瞬険しくなる。


「なにしてんだ2人共。これから洗濯だろうが」


立ち上がって詰め寄る裕太。


とっさに止めようとするが、すでに遅かった。


「あ、えっと、違うの! これから手伝おうとしてたところなの!」


「そ、そうだよね。ごめんね彩奈ちゃん1人にしちゃって」


2人がわざとらしく駆け寄ってくる。
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