極上男子短編集
嫌な気持ちが沸き上がってきたけれど、それをグッと押し殺して笑みを浮かべた。


きっと2人は忘れ物でもして、それで戻ってきただけだろう。


「だから裕太くんはもう帰っていいよ! 私達がいるから!」


「本当にちゃんと仕事するんだろうな?」


裕太が腕組みをして2人を見下ろす。


「もちろんだよ!」


2人は顔を見合わせて「ねぇ?」と微笑みあった。


裕太はその笑顔を見て呆れたようなため息を吐き出す。


「それなら、俺はもう帰るけど」


そう言ってスマホで時間を確認する。


もしかしたら今日は用事があったのかもしれない。


それでも、私1人で洗濯をしているのを見てほっておけなくて声をかけてきたのだ。


裕太の優しさに胸の奥が熱くなるのを感じる。


好きという気持ちが沸き上がってきて、それを今すぐ伝えたくなってしまう。


「じゃあね、また明日!」


2人のマネージャーが可愛く手を振って裕太を見送る。
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