極上男子短編集
あ~あ、もう少し裕太と一緒にいたかったな。


そんなふうにガッカリしていると、2人が同時に振り向いた。


その目はつり上がっていて一瞬たじろぐ。


「な、なに?」


おどおどと質問すると、1人が大きく一歩前に出た。


「裕太くんと幼馴染なのかなんなのか知らないけどさ、あんまり馴れ馴れしくしないでくれる?」


その棘のある声に息が止まる。


確かに私と裕太は幼馴染だけれど、馴れ馴れしくしていたつもりはなかった。


ただ、幼馴染として仲良くしていただけだ。


だけど裕太ファンの2人からすればそういう風には見えなかったようだ。


「私たちが裕太くんのこと好きでマネージャーになったこと、気がついてるんでしょう?」


更にもう1人に言われて私は言葉に詰まってしまう。


やっぱり野球なんて興味がなかったんだ。
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