極上男子短編集
「上から目線なんてしてない!」


言いながらも、2人を見て呆れたり、ため息を吐いたことは何度もあったと思い出す。


それを彼女たちはちゃんと感じ取っていたのだ。


「ちょっと頭冷やしてみれば!?」


そう怒鳴られて体を押された。


今度はバランスを取ることができずに後方に倒れ込む。


それは野球部が使用している狭くてくらい倉庫内だった。


尻もちをついて痛みで顔をしかめている間に、2人が倉庫のドアに手をかけた。


「やめて!!」


とっさに叫んだ言葉は虚しく倉庫内に消えていく。


ドアはバタンッと音を立て、ホコリを舞いがらせながら閉じてしまった。


すぐに立ち上がってドアに手をかけたが、外から鍵をかけられてしまったみたいでビクともしない。


「お願い、ここを開けて!」


「開けるわけねぇだろ!」
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