極上男子短編集
野球部のマネージャー志望はほど全員が裕太狙いと言っても過言じゃない。


マネージャーを入れ替えたことで同じことが起こるのは明白だった。


それに、やめさせられた2人から報復があるかもしれない。


「でも、このまま黙っているわけにはいかないだろ。せめて、原因を突き止めないと」


裕太にそう言われて私の胸に苦いものがこみ上げてくる。


原因は裕太だよ。


裕太がカッコよくなったから、こんなことになったんだよ。


そんなこと、口が裂けても言えないけれど。


「大丈夫だから。今日はもう遅いし、帰っていいよ」


なにも言えない代わりに私はそう伝えて布団に潜り込んだのだった。
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