極上男子短編集
その言葉を思い出した瞬間、再び私の胸に鋭い痛みが走った。


それは胸の奥のほうまで貫いてしまう痛みで、思わず胸に手を当てる。


あの時考えたことは正しかったのかもしれない。


裕太はただの幼馴染に飽きて、新しいものを探しているのかもしれない。


それはたとえば、彼女たちとか……。


「がんばってー!」


ファン丸出しの黄色い声で声援を送る2人のマネージャー。


裕太はそちらへ向けて軽く手を振っている。


手を振られた2人は互いに抱き合って飛び跳ねて喜んでいる。


そんなのマネージャーがするようなことじゃない。


そんな嫌悪感と同時に、彼女らに対する羨ましさが湧き上がってきた。


彼女たちは今裕太の視界に入り、そして受け入れられている。


それがたまらなく羨ましかった。


私はうつむき、彼女らを見ないようにしたのだった。
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