極上男子短編集
「ねぇ、ちょっと」


ぼーっとしながら片付けをしていると、いつの間にかマネージャー2人が目の前に立っていた。


突然のことでビックリして後退してしまう。


「今日の勝川くんを見ててわかったよね?」


腕組みをして仁王立ちでそう言われてはひるんでしまう。


けれど何のことを言われているかわからなくて、私は1人でまばたきを繰り返した。


「あんた、相手にさてれないんだよ」


もう1人がズバリ的を射たことをいい、また胸がチクリと痛む。


私が倉庫に閉じ込められて以来、裕太はずっとよそよそしい。


それ所か、意図的に私を避けているようにも感じられる。


「あんた、嫌われたんだよ」


その声にも顔にも同情の色が浮かんでいて、まっすぐに見返すことができなかった。


ふつふつと悔しさがこみ上げてくる。


「……わかってる」


喧嘩では勝てないとすでに知っている私は、下唇を噛み締めてそう答えるしかなかったのだった。

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