極上男子短編集
☆☆☆

2日後、せっかくの文化祭最終日だというのに私の気持ちは晴れなかった。


前日の1日目はクラスの展示で、受付係をしていたからそれなりに忙しかった。


けれど今日は朝から暇で、友人と適当に各クラスを見て回っていた。


私の2年B組ではこの街の歴史を調べて周り、話を聞きながら動画撮影をしたり、模型を作ったりした。


それを展示、教室内のテレビで動画を流している。


大人たちにとっては面白いらしく、テレビの前に立ち止まってジッと鑑賞してくれる人がおおくいた。


けれど子供からしたらつまらないようで、模型をチラリと見るくらいですぐに教室を出て言ってしまう。


失敗か成功かといえば、中間くらいの評価だった。


今度は子供でも楽しめるような歴史を調べて展示してみたらいいかもしれないと、密かに考えていた。


「あ、プリンスとプリンセス決めが始まったみたいだよ!」


3階の廊下の窓からグラウンドを見下ろすと、ステージ上にドレスを着た女子生徒が集まっているのが見えた。
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