極上男子短編集
ブルーやオレンジと言ったドレスが、遠くから見るだけでもとても華やかだ。


どんな先輩がいるのか気になって、私と友人は早足でグラウンドへと向かった。


2人して息を切らしながらグラウンドへやってきたとき、なにか騒がし雰囲気が漂っていた。


どうしたのだろうとステージに顔を向けると、その中央が水浸しになっている。


そしてドレスを着た先輩の1人がステージの下で五十嵐先輩に抱きしめられているところだったのだ。


なにがどうなっているのかわからないまま、呆然とその様子を見つめる。


あの先輩がプリンセスに選ばれたのかな?


それにしては全身びしょ濡れだし。


なにがどうなってるの?


と、次の瞬間だった。


びしょ濡れの先輩が、五十嵐先輩の頬にキスをしたのだ。


その瞬間周囲から歓声が湧き上がる。


私も自分の顔がカッと熱くなるのを感じた。


「すごいねあの子、勇気ある」
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